寝る前に読書をすると、リラックスできて睡眠の質がよくなるといわれています。店主も、就寝前には本を読むのが昔からの習慣。最近は『星の文学館 銀河も彗星も』(和田博文編・2018年ちくま文庫)を少しずつ読み進めています。
星をテーマにした日本文学作品のアンソロジーで、イラストレーター・ヒグチユウコさんによる愛らしい表紙に惹かれて手に取りました。エッセイや詩、短編小説など、35篇の作品が収められています。
神戸の街を舞台に、謎めいた紳士が街中でさまざまな奇跡を起こす『星を造る人』(稲垣足穂)。1910年、彗星が接近したときの社会的混乱を描いたエッセイ『ハレー彗星』(内田百閒)。気が遠くなるような宇宙の移り変わりを、わずか数ページで描いた『星碁』(小松左京)。テーマは共通していても作品の毛色はひとつひとつ異なるので、今夜はどんなお話だろうと、わくわくしながらページをめくっています。短い作品ばかりなので、寝る前にひとつずつ読むのにぴったり。宇宙や星の伝説に興味がある方はもちろん、いろいろな作品を読んでみたいという人にもおすすめの一冊です。