本屋さんを見て回っているとき、スイーツ関連でおもしろそうな本があるとつい手に取ってしまいます。
最近出会ったのは、三浦裕子著『スイート・スイート・クラシック 洋菓子でめぐる音楽史』(2021年 アルテスパブリッシング)。バッハとコーヒー、テレマンとバウムクーヘン、ラヴェルとガトー・バスクなど、今では定番となっているスイーツや飲み物が生まれた時代背景や、当時活躍していた作曲家との関わりなどが、詳細かつわかりやすくまとめられています。お菓子教室を主宰する著者自ら作ったスイーツの写真も美しく、巻末にはレシピまでついていました。
そのなかでもぜひここでご紹介したいのが、「はじめに」の一節です。「(クラシック音楽とお菓子は)どちらも、生きていくために必要不可欠なものではないかもしれないけれど、ともに強く豊かな心を育み、人生の喜びや悲しみ、苦しさや楽しさをしっかりと受けとめるための助けになります」。みみずく洋菓子店のスイーツも、そんな存在でありたいと願っています。